この物語はフィクションです

扉の小窓から廊下を見て、周辺に誰もいないことを確認した私は、凛香と美桜を問いかける。


「凛香、美桜、まさかまだ狂子で私を驚かせようとしたりしてないよね?」


それを聞いたふたりは、顔を見合わせる。


「狂子って、そんなのもあったね。あのとき、生徒指導室で超怒られたよね」


「後片付けも説教されながらで大変だったよね。いつの話? 夏休み前だった?」


「それだよ、それ! 狂子だよ! また私を驚かせようとしてるんでしょ?」


しらばっくれているのではないかと思って強めに詰ると、ふたりはむっとした顔をする。


「そんなことするわけないじゃん!」


「あれって結構面倒くさいし、もう飽きちゃった」


「ええっ……?」


――それじゃあ、さっきの話はドッキリじゃない?


驚かされているのではないとわかると、逆に怖くなってきた。


「じゃあ、本当に殺された子がいるってこと?」


むしろ、驚かそうとしていてくれた方がよかった。


友達から聞いたあの話が偽物じゃないなら、とんでもない何かが起きていることになる。