この物語はフィクションです

へなへなと座り込んでしまった私を見て凛香と美桜が笑う。


「だから、フィクションだって言ってるでしょ」


「菜奈も案外怖がりだよね。どう考えても偽物だったでしょ?」


言われてみると、あからさまな驚かしだった。


「美桜の迫真の演技、すごかったよ」


「もしかして私、女優になれるんじゃない?」


「もう……ふたりとも、冗談はそれくらいにしてよ」


三人で騒いでいると、それを聞きつけて体育館へ来たのか、


「こらーっ、そこで何してるんだ! 今は授業中だぞ!」


出入り口の方から、生徒指導の教師の声が聞こえてきた。


「やばっ、見つかった。美桜、菜奈、逃げよう」


「待って、スマホ回収しないと。菜奈、どこかに落ちてなかった?」


「……戸棚の前じゃない?」


凛香と手を借りて立ち上がり、スマホを回収した美桜が戻ってくると、三人で一斉に体育倉庫から駆け出した。


***


――それから数か月後のある日のことだ。