この物語はフィクションです

『目をつけられたら大変。狂子は、どこまでも追いかけてくる』


どうしてここに? なんでいるの? 偽物のはずでしょ? 私と凛香が考えたんだよ。作り物だよ。いるわけないよ。なのに何で……?


パニックを起こした私は、頭を酷く掻きむしる。



狂子って、何?



狂子って、何なの?


あの話はフィクションなのに。そうじゃないなら、私はどうなる?


『狂子に捕まると、死ぬまで腹部をめった刺しにされるらしいよ』


――そんなの絶対に嫌!


格子の窓の方へ逃げた私は、建物の外に向かって叫ぶ。


「……誰か! 助けて! お願い、ここから出して!」


必死の声は誰にも届かず、ギギギギーッと金属の擦れる音がして、無情にも扉が開かれる。


「いやっ……」