*** 恐ろしいことが起きたのは、それから数日後のことだ。 いつもの朝のように登校すると、先に席についていた美桜が机に伏せていた。 「美桜、どうしたの?」 体調でも悪いのかと思って声をかけたら、びくりとした後で美桜はゆっくりと顔を上げる。 「菜奈……」 今にも泣きだしてしまいそうな顔をした美桜は、震える声で言う。 「昨日の放課後、見たの……狂子を……」