この物語はフィクションです

「菜奈、見てこれ。DMがいっぱい届いてる」


中には、狂子の熱心な信者のような人もいる。


『狂子について、もっと詳しく知りたいです――鈴音(すずね)


この鈴音というユーザーからは大量にDM送ってきていた。


『ホラーが好きで、すごく興味があります』


『F高校って本当ですか? うち近いです』


『写真を撮ったとき、どんな感じでしたか』


こちらからは一切返信してないのに、ずっとメッセージを送り続けてきている。


「そんなにホラーが好きなのかな?」


「なんか、必死だよね」


そう言ったそばから、新しくメッセージが送られてくる。


『狂子に会いたいので、探そうと思います』


――探したって、狂子なんていないのに。


「ねえ、菜奈。この人かなりヤバそうじゃない? 狂子探すってさ」


「狂子が本物だって信じちゃったんだね」