初恋のキミに、さよならを【番外編】


それから、あっという間に結婚式が始まった。

ゲスト一同、外で新郎新婦がチャペルからでてくるのを今か今かと待つ。

しばらくして、大きな鐘とともに手を繋いだ雫井と桜が現れた。

「おめでとー!」

みんな、2人に祝福の言葉をかけながら手に持っていた花びらを投げる。

ひらひらと花びらが宙に舞って、美しい光景の中、桜と雫井はゆっくり前を進む。

拍手や歓声が鳴り止まない。

「おめでとう、桜‥‥‥!」

すでに、俺の横では嬉し泣きしている美咲。

それを見て、桜は笑う。

「美咲、泣きすぎだよ」

「だって、桜がこんなにも大きくなったのが嬉しくてつい」

「ふふっ。美咲、ありがとね」

笑顔を浮かべたまま、桜は横にいる俺を見た。

「桜、おめでとう」

そう言葉をかけると、桜はますます微笑んだ。

「ありがとう、りく」

それは、今までで1番輝いて見えた笑顔だった。

そして、再び桜は雫井と一緒にゆっくり前を歩く。

その幸せそうな2人の後ろ姿を見て、俺は心の中でもう一度『おめでとう』と呟いた。

  
             - END -