そろそろ、結婚式が始まる時間となり桜と部屋を出た。
美咲は、久しぶりに会った桜のお母さんと楽しそうに話をしていた。
ふと、その様子を眺めていた雫井と目が合った。
桜との話で、さっき、こいつが俺を睨みつけてきた理由がやっと分かった。
きっと、雫井は桜の気持ちを知っていたんだ。
「あのさ、雫井‥‥‥」
ゆっくりと、彼の元へ近寄る。
俺は、桜を幸せにすることができなかった。
でも、こいつなら桜を幸せにできる。
「桜のこと、よろしく頼むな」
そういうと、彼はフッと笑った。
「キミに言われなくても分かってるよ」
彼らしいと思えるその言葉に、俺も思わず笑った。
「だな」
‥‥‥大丈夫。
きっと、こいつなら桜は大丈夫だ。



