「桜、世界で1番綺麗だよ」

目を真っ直ぐに見つめて思ったことを素直に言ってくれる。

そんな彼が今では大好きだ。

「ありがとう! 麗央の方こそ、世界で1番かっこいいよ」

そう伝えると、見る見るうちに麗央の顔が真っ赤になった。

「お、お前それ言うなよ! 反則だろーが」

手で顔を隠し悶えている様子が、なんだか可愛い。

「ふふっ、顔真っ赤になってる」

「ちょ、見るなって!」

「いいじゃん! 見せてよ」

「いやだ!」

「お願いだからさ〜」

「ダーメ!」

「なに、2人してイチャついてるの?」

部屋に入ってきたのは、にっこりと笑顔を浮かべているお母さん。

その横には、お父さんの姿。

「全然イチャついてないから!」

そう言ったのに、「はいはい」と軽くあしらわれてしまった。

「麗央くん、桜と結婚してくれてありがとう」

お父さんの言葉に、麗央はさっきとは一変してピシッと背筋を伸ばす。

「こちらこそ、大事な娘さんを僕に下さりありがとうございます」

と、私の両親に丁寧にお辞儀を交わした。