「今頃、桜はどうしてるかな?」
少しひんやりとする空に向かって、白い息とともにそう言葉を漏らすと‥‥‥
「今頃、必死こいて勉強してるんじゃない? あーだこーだ言いながら」
と、適当な答えで返ってきた。
でも、当たっていそう。
桜は勉強が大の苦手で、テスト前になると、私に『勉強、教えて〜!』と泣きついてきていた桜。
今では受験生ということもあって、必死で勉強している様子がなんとなく想像がつく。
「この前、電話で彼と同じ高校を目指すって言ってたもんね」
“彼”とは、桜との電話でよく話にあがる人物。
確か名前は、雫井 麗央くん。
「俺みたいなやつと桜は話していたな。1度でもいいからそいつと会ってみたい。どんな人なんだろう?」
「私には分からないけど、きっと桜のことを大切にできる素敵な人だと思うよ」



