しばらくすると、私の頭を撫でる大きな手の動きが止まった。
なぜか、雫井くんは真剣な顔で私のことをじっと見つめている。
「な、なに?」
あまりの至近距離で思わずどきりとする。
「ほんと、お前って‥‥‥」
「‥‥‥?」
雫井くんのその言葉の続きが気になって、ゆっくり彼を見上げると放たれた言葉。
「チビだな」
「今、チビって言った! あれほど言わないでって言ったのに」
涙なんて引っ込んだじゃないの!
頬を膨らませて怒る私に、雫井くんは吹き出した。
「あははっ! お前の怒った顔、何度見てもおもしれ〜!」
「人の顔見てなに笑ってんのよ! 失礼な!」
「ごめんって! やっぱ、泣いている顔なんてお前には似合わねーよ」
と、頭をわしゃわしゃと撫で回されるけど‥‥‥
「なによそれ! さっきまで、思いっきり泣いていいとか言ったの誰よ!?」
「えー、誰だったっけ?」
と、辺りをキョロキョロと見渡す彼。
今、ここにはどう見たって雫井くんしかいないんだから!



