「そいつ、どんなやつだったんだよ?」
「えっとね、私より随分背が高くて、目立ちたがり屋でクラスのムードメーカー。それに、私のこと『チビだ!』ってからかってくる人」
「なんかそれ、俺と似てね?」
「うん。雫井くんを見てると、好きだった彼を思い出すよ」
背が高いところも、私のことをチビだとからかってくるところも、ある意味目立ちたくて金髪に染めている雫井くん。
りくは髪染めていなかったけど、ほんといろんなところが似ている。
「そいつとは、付き合ったのかよ?」
彼の質問に、私は静かに首を横に振った。
「ううん。付き合わなかった。と言っても“付き合えなかった”って言ったほうが正しいかも。だって、私が好きになったその人は、私の親友のことが好きだったんだから‥‥‥」
雫井くんは、なにも言わずただ私の話に耳を傾けてくれた。
今まで誰にも言えなかったこと、なぜか雫井くんには話したいと思ったんだ。



