切ないほど、愛おしい

「長谷川乃恵さん」

CT検査室から呼ばれて、

「はぁい」
俯きながら立ち上がる。

一緒に放射線受付まで来た山神先生は急患が出たと救急へ呼ばれ、残された私は1人で検査を受けることになった。


「じゃあ始めますね」
「はい」

検査台の上に横になって筒状の機械の中に入る。
子供の頃から何度も受けている検査だけれど、やはり慣れない。
もしかしてここから出られなくなるんじゃないかと、息苦しささえ覚える。


「ちゃんと薬飲んでいたの?」
CT検査室の横にある操作室で撮ったばかりの画像を見ながら、放射線科の先生が眉をひそめた。

あれ?
もしかして、悪いんだろうか。
そんな不安を感じながらも、

「最近仕事が忙しかったんで、」
たまたま疲れが溜っていただけだと、言い訳してみる。

「無理したらダメだよ。医者の不養生なんて笑えないからね」
学生時代から何度もお世話になっている先生は、説教気味に私を見た。

どうやらあまり良い結果ではなさそう。
しかたない、自業自得だ。

「ありがとうございました」
検査室の扉を開け頭を下げた。


「次は超音波ですね」
「はい」

診察券を返してもらい私は次の検査に向かった。