子供の頃から母さんとの2人暮らしだった私は、いつも周囲に気を遣う子供だった。
おとなしいと言えば聞こえが良いけれど、母さんやお兄ちゃんを困らせないようにとそればかり考えていた。
自分が我慢して済むことなら言わないでおこう。そうやって生きてきた。
そんな私のわがままが、久しぶりに暴走してしまった。
「乃恵ちゃん、いい加減に顔を見せて」
さすがに勤務医が大部屋ではまずいだろうと個室を用意してもらい、雪菜ちゃんが身の回りの物も全部用意してくれた病室。
前回の入院は未成年だったからすぐにお兄ちゃんが呼ばれたけれど、今回は自分で連絡すると約束してお兄ちゃんには知らせないでもらった。
山神先生も、雪菜ちゃんも気を遣ってくれているのはわかっている。
でも、
「いつまで布団に潜っているの?産科の部長先生もスタッフもみんな心配しているんだから」
病室に入ってから『誰にも会いたくない』と面会拒否を貫いている私を、山神先生が説得中。
「今は、誰にも会いたくないんです」
病室に入りたとたんに涙腺が緩んでしまって、完全に腫れてしまった顔を見せたくない。
それに、まともに勤務をこなすことも出来ずに私が逃出したせいで迷惑をかけてしまった先輩に合わせる顔がない。
勤務がこなせない研修医なんて、使い道がない。
そんなこと、私だってわかっている。
おとなしいと言えば聞こえが良いけれど、母さんやお兄ちゃんを困らせないようにとそればかり考えていた。
自分が我慢して済むことなら言わないでおこう。そうやって生きてきた。
そんな私のわがままが、久しぶりに暴走してしまった。
「乃恵ちゃん、いい加減に顔を見せて」
さすがに勤務医が大部屋ではまずいだろうと個室を用意してもらい、雪菜ちゃんが身の回りの物も全部用意してくれた病室。
前回の入院は未成年だったからすぐにお兄ちゃんが呼ばれたけれど、今回は自分で連絡すると約束してお兄ちゃんには知らせないでもらった。
山神先生も、雪菜ちゃんも気を遣ってくれているのはわかっている。
でも、
「いつまで布団に潜っているの?産科の部長先生もスタッフもみんな心配しているんだから」
病室に入ってから『誰にも会いたくない』と面会拒否を貫いている私を、山神先生が説得中。
「今は、誰にも会いたくないんです」
病室に入りたとたんに涙腺が緩んでしまって、完全に腫れてしまった顔を見せたくない。
それに、まともに勤務をこなすことも出来ずに私が逃出したせいで迷惑をかけてしまった先輩に合わせる顔がない。
勤務がこなせない研修医なんて、使い道がない。
そんなこと、私だってわかっている。



