切ないほど、愛おしい

「ここ?」

連れてこられたのは都内の公園に隣接する大きな建物。
広い敷地の周囲を壁で囲まれていて外からは全く見えないけれど、門をくぐると緑に囲まれた別世界が広がっている。

「会員制のクラブなんだ。ここなら何を食っても旨いから」
「へえー」


店員さんに案内され、庭の見えるテラス席へ。

「うわー、凄い」

テラス席に座り、目線を下げて見渡す庭は都会とは思えない清々しさ。
深呼吸するだけで、自然の香がして気持ちいい。

「何にする?和食もあるけど、オススメはクロワッサン。ここで焼いてるから凄く旨いよ」

フーン。
自家製クロワッサンか。

「美味しそう。私はそれで」

後は、玉子とソーセージとサラダとフルーツ。
すべて徹さんのオススメを選び、注文は即決した。


「ここってよく来るの?」

運ばれてきたコーヒーを飲みながら、気になっていた事を聞いてみた。

「うん、時々ね」

「へー」

やっぱり、徹さんってお金持ちなのね。