時刻は午後6時。
少し外も暗くなって、病院の中も人が減ってきた。
「すみませーん、ストレッチャー通ります」
廊下の向かいから看護師の声がして、私は壁に体を寄せて通路を開けた。
やはりこの時間になると、救急外来は混み合うらしい。
まあ、病気は時間を選んでくれないわけで、しかたないとは思うけれど、やっぱり大変だな。
私服のせいで誰も私が医者とは気づかない中で、通り過ぎていくストレッチャーをしみじみ見た。
まあ、医者とは言っても研修医1年目。
まだまだ私にできることは多くない。
白衣を着ていたって、何の役にも立たないだろうな。
フフフ。
なんだか自虐的に笑ってしまった。
私、長谷川乃恵。24歳。
一応、医者。
とは言っても、今年の春医大を卒業したばかりの半人前だけれど。
特別に秀才でもなく、人助けをしたいと思ったわけでもない。
ただ主治医の先生に恋をして、私も白衣を着て先生の側に並びたい一心で勉強を頑張り、お兄ちゃんに学費を出してもらって私立の医学部に入った。
当然勉強についていくのも大変だったけれど、なんとか卒業した。
ああこれで、やっと医者になれる。そう思っていたのに・・・
研修医は、医学生よりも辛い。
半端なく忙しいし、毎日叱られてばかり。
ああー、逃出したい。
すべてを投げ出してしまいたい。
でも・・・できない。
「オイ、あんた」
突然、若い男性の鋭い声が耳に響いた。
少し外も暗くなって、病院の中も人が減ってきた。
「すみませーん、ストレッチャー通ります」
廊下の向かいから看護師の声がして、私は壁に体を寄せて通路を開けた。
やはりこの時間になると、救急外来は混み合うらしい。
まあ、病気は時間を選んでくれないわけで、しかたないとは思うけれど、やっぱり大変だな。
私服のせいで誰も私が医者とは気づかない中で、通り過ぎていくストレッチャーをしみじみ見た。
まあ、医者とは言っても研修医1年目。
まだまだ私にできることは多くない。
白衣を着ていたって、何の役にも立たないだろうな。
フフフ。
なんだか自虐的に笑ってしまった。
私、長谷川乃恵。24歳。
一応、医者。
とは言っても、今年の春医大を卒業したばかりの半人前だけれど。
特別に秀才でもなく、人助けをしたいと思ったわけでもない。
ただ主治医の先生に恋をして、私も白衣を着て先生の側に並びたい一心で勉強を頑張り、お兄ちゃんに学費を出してもらって私立の医学部に入った。
当然勉強についていくのも大変だったけれど、なんとか卒業した。
ああこれで、やっと医者になれる。そう思っていたのに・・・
研修医は、医学生よりも辛い。
半端なく忙しいし、毎日叱られてばかり。
ああー、逃出したい。
すべてを投げ出してしまいたい。
でも・・・できない。
「オイ、あんた」
突然、若い男性の鋭い声が耳に響いた。



