「ベットを使ってもかまわないが、リビングの奧にはゲストルームもある」

荷物を置いて冷蔵庫からお水を出して来た徹さんが、どうすると聞いている。

「ゲストルームを借ります」

せっかく布団を買ったんだし、徹さんにもベットでゆっくり休んでもらいたい。
2日も続けてソファーで寝させるわけにはいかないし。



「明日は、仕事?」

キッチンで荷物を片づけながら、カウンター越しに徹さんが声を掛けた。

明日は土曜日だから基本的には休みなんだけれど、受け持ち患者で気がかりな人もいるし、溜った書類作成もあるから午後にでも病院へ顔を出そうと思っていた。

「何かあるの?」

来客でもあるようなら、早めにここを出た方が良いのかもしれない。
でも、布団はさすがにに持って歩けないけれど・・・最悪数日置かしてもらうか、お兄ちゃんに預かってもらうしかないかも。
って事は、お兄ちゃんに話さないといけないわけかあ・・・

「オーイ」

エッ?
1人で考え事をしていた。

「明日の午前中に警察に行って被害届を出して、午後から不動産屋を回ろうか?」

回ろうかって、
それって・・・

「一緒に?」

「ああ。イヤなの?」

「イヤとかではなくて・・・」

徹さんだってきっと忙しいだろうに、私のために時間を使わせては申し訳ない。