切ないほど、愛おしい

30分ほど走って、徹さんのマンションに到着。

昨日来たときは途中で眠ってしまってはっきりとした記憶もないけれど、都心の中心部に立つそこはかなりの高級物件だった。
やっぱり上場企業の社長秘書ともなると待遇が違うらしい。

「ほら、ちゃんと前を見てないと転ぶぞ」

まるで子供に言うように言われ、

「もー、大丈」

ドテッ。

言われた側から、見事に転んでしまった。

「だから気をつけろって」

床に膝をついてしまった私の腕を引き上げる徹さん。
恥ずかしさで、耳まで赤くなった私。

「荷物が多すぎたのよ。こんなに買わなくてもいいのに」
まるで徹さんのせいで転んだように言ってしまった。

両手に下げたの紙袋には、着替えと日用品とコスメがギッシリ。
すべて帰りに寄った店で購入した物。
そんなに必要ないって言ったのに、徹さんがつぎつぎとカゴに入れるから大荷物になってしまった。

「お前が布団なんか買うからだろ」

私の荷物よりも大きな包みを抱えた徹さんが不満そうな顔をした。

「だって・・・」