切ないほど、愛おしい

「どうかしました?」
麗子さんの表情があまりに硬くて声をかけた。

「うん、ちょっと」

どうやら孝太郎さんからの着信だったみたい。

「大丈夫ですか?」
「うーん」
麗子さんが唸った時、

「麗子」
麗子さんを呼ぶ声が聞こえた。

当然その場にいたメンバーは声の方を振り返る。

そこに現れたのは、孝太郎さんだった。

「えぇっと」
美咲さんが、『この人は誰?』と私に視線を送っている。

「あの・・・」
どう説明するのがいいのかと迷っていると、

「鈴木孝太郎と申します。麗子がお世話になりました」

完璧な笑顔を見せる孝太郎さんにみんな言葉が続かない。
それにこの笑顔は怖い。

「電話がつながらないから心配したよ」
「うん、ごめん」

「ずいぶん賑やかな飲み会だったんだな」

うぇー、孝太郎さん怖すぎる。

「乃恵ちゃんも一緒だったのか」
今度は私の方を見てニコリ。

だから、怖いんですって。

「乃恵ちゃん、送るよ」
「いや、大丈夫で」
「徹、いないんだろ?」
「まあ、そうですけど」
「ほら、行くよ」

どうやら拒否はできないらしいです。