切ないほど、愛おしい

「すみません、初対面の方に失礼なことを」
私は深く頭を下げた。

いくら謝っても許されることではないけれど、せめて気持ちは伝えたかった。

「私の方こそ、陽菜がご迷惑をおかけしたうえにいきなり身の上話をしてごめんなさい。いろんなことが重なってしまって、少しマタニティーブルー気味でして。どうか、許してください」
「そんなぁ」
悪いのは私なのに。


その後はお母さんと私のわだかまりも解け、陽菜ちゃんをはさんで楽しくお茶をした。


「へー、先生24歳ですか?」
「ええ、っていうか、先生はやめてください。まだ研修医なんです」
「でも、お医者さんでしょ?」
「うーん、まあ」

「私、風見紗耶香といいます。24歳です」
「ええー」

同い年で2人目って、すごい。

「二十歳で陽菜を産んだんです」
「へえー、すごいなあ」
私には想像もできない。

「私的には、先生の方が凄いと思うけれど」

そうかなあ、そんなことないと思う。