切ないほど、愛おしい

女の子は背格好からして3歳くらい。
可愛いらしいワンピースはフリフリで、髪は三つ編み。
大きな目でまっすぐに私を見ている。

とにかくすごくかわいい。
ただ、

「こら、陽菜(ひな)。勝手に行かないの」
どうやらお母さんらしい女性が、女の子の後を追ってきた。

「すみません」

服をつかまれてしまっている私に頭を下げ、抱き上げようとするお母さん。
それでも女の子は私の服を離さない。

「いいですよ。大丈夫ですから」
「でも・・・」

申し訳なさそうに女の子を抱き上げようとするお母さんだけれど、なかなか思うようにいかない。

「本当に大丈夫ですから。陽菜ちゃん、お姉ちゃんのお洋服が珍しかったのかな?」

そう言って笑顔を向けると、
「抱っこ」
陽菜ちゃんは私に向かって手を伸ばした。

えええ。

ちょっと驚いたけれど、
「いいよ、抱っこね」
私は陽菜ちゃんを抱き上げて、膝に抱いた。

「すみません」
私に向かって謝るお母さん。

「いいんですよ、お母さんも大変ですものね。私でよければ抱っこします。よかったらお隣どうぞ」

お母さんが手にしているトレーには、サンドイッチとオレンジジュースとホットドリンクのカップ。
きっと、陽菜ちゃんに軽食を食べさせようとしていたんだろう。

「すみません、ありがとうございます」
持っていたトレーをテーブルに置くと、私の座る隣の椅子にお母さんも腰を下ろした。