切ないほど、愛おしい

それから数日、時間は穏やかに流れた。

「もう食べないのか?」

夕食に出された食事を半分ほど残した私に、徹のチェックが入った。

「もう、お腹一杯」

これ以上食べたら気持ち悪くなりそう。

「そりゃあそうだろう、あれだけお菓子を食べれば夕食が食べれるはずないわな」
少々あきれ顔で、私を睨んでいる。

「だって・・・」

毎日のように食べ物を持ってきてくれる麗子さんや、お菓子を持ってここで昼休憩を取ろうとする雪菜ちゃん。
産科部長や、先輩たちまでお菓子やケーキを持って顔を出していく。
いくら食べてもこの病室からお菓子が消える日がない。

「いらないなら断れよ」
「そんなこと」

できるわけがない。
みんな良かれと思ってきてくれているんだから。

「乃恵が言えないなら俺が言ってやるよ」
「ええー」
つい、唇ととがらせた。

「嫌なら、ちゃんと食事がとれるくらいにセーブしなさい」
「はーい」

怪しいなって顔で私を見る徹。

私は身を乗り出して、徹の背中に腕を回した。