「社長さんの紹介ってことは、良いところのお嬢さんなのよね、きっと」
「だな」
否定はしない。
俺の将来のためになると社長が判断した見合い相手だ。
「社長さんにも迷惑をかけたのかしら?」
乃恵の言葉に含みを感じて、俺は箸を止めた。
「何が言いたい?」
「昨日のお見合いが仕事絡みだったとしたら、社長さんや徹さんが勤める会社にも迷惑が掛かるのかなって思って」
「乃恵?」
「私ね、徹さんとここに来たことに後悔はないの。たとえ何を言われても、今の生活を失っても悔いはない。でもね、そのことで自分にとって大切な人たちが傷つくところは見たくない」
キッパリと言い切った乃恵は、真っ直ぐに俺を見た。
それは挑んでくる眼差し。
いつもは猪突猛進に周りを見ず突き進んでいくくせに、ふとしたときに的確に周囲を分析する乃恵のアンバランスさが面白い。
こういう冷静で大人な言動で迫られると、こいつは医者なんだなって気がする。
「逃げていても何の解決にもならないぞって言いたいか?」
「ええ」
そうだな。
現実逃避したところで、いつかは逃げられなくなる。
それにしても、
こいつはやっぱり、ただかわいいだけの女じゃないらしい。
「だな」
否定はしない。
俺の将来のためになると社長が判断した見合い相手だ。
「社長さんにも迷惑をかけたのかしら?」
乃恵の言葉に含みを感じて、俺は箸を止めた。
「何が言いたい?」
「昨日のお見合いが仕事絡みだったとしたら、社長さんや徹さんが勤める会社にも迷惑が掛かるのかなって思って」
「乃恵?」
「私ね、徹さんとここに来たことに後悔はないの。たとえ何を言われても、今の生活を失っても悔いはない。でもね、そのことで自分にとって大切な人たちが傷つくところは見たくない」
キッパリと言い切った乃恵は、真っ直ぐに俺を見た。
それは挑んでくる眼差し。
いつもは猪突猛進に周りを見ず突き進んでいくくせに、ふとしたときに的確に周囲を分析する乃恵のアンバランスさが面白い。
こういう冷静で大人な言動で迫られると、こいつは医者なんだなって気がする。
「逃げていても何の解決にもならないぞって言いたいか?」
「ええ」
そうだな。
現実逃避したところで、いつかは逃げられなくなる。
それにしても、
こいつはやっぱり、ただかわいいだけの女じゃないらしい。



