切ないほど、愛おしい

「そうだ乃恵ちゃん、明日はお休み?」

突然明日の予定を聞かれた。

「ええ、一応休みです」
緊急の呼び出しでもない限り病院に行く予定はない。

「じゃあ、ホテルで食事をしましょう。ご馳走するから」

「ホテルですか?」
話の流れから何か裏を感じるのは私だけだろうか?

「プリンスホテルのランチが美味しいって評判なのよ、一緒に行きましょ?」

目をキラキラさせて、私を見る麗子さんは迫力があって逆らえないオーラを感じる。

「麗子さん、何か企んでませんか?」
とってもイヤな予感がする。

「大丈夫。私は乃恵ちゃんのことを妹みたいに思っているんだから、乃恵ちゃんが嫌がることはしないわ」
「はあ」
そうですか。

そういうことなら是非お供したい。
麗子さんオススメのランチなんて、きっと素敵だろうから。

「11時にホテルのロビーでいいかしら?」
「はい」

まんまと乗せられた気がしながら、私は明日の約束をしてしまった。
そのことが自分の人生を変えることになるとも知らずに。