切ないほど、愛おしい

「と、言うわけだ」
完結に要点のみをチョイスして、陣に説明した。

こうなった以上嘘をついてもしかたがないが、余計な情報を入れる必要もない。
初めて出会ったときのことや発作を起した乃恵ちゃんをうちに泊めたことは言わずに、陣に紹介されたのが初めてで、たまたま送っていったアパートが荒らされていたから連れ帰ってきたと説明した。

どうやら警察に出した被害届から陣に連絡が入ったらしく、乃恵ちゃんの勤務先である病院へ連絡して入院したことも知っていた。
おおよその事情はわかっていたようで、俺の説明でそんなに驚かれることはなかった。

「アパートが荒らされているってわかった時点で、何で俺に連絡しなかった?」

2本目のビールを取りに行った俺に向かって声がかかる。

「うぅーん」
何でて言われても・・・

「きっと乃恵が、黙っていてくれって頼んだんだよな?」
「まあな」

「確かにあの時は仕事のトラブルで急の出張になったときだったから、知らせられても困ったんだが、」

「だろうな」
それも知らせなかった理由の1つではある。

「それでも、知らせて欲しかった」

怒ると言うよりは悲しそうな陣の声に、顔が見られない。