その手の平の上には……ジャムパン。



「……なにこれ?」

「だから、これであたしにもキスを…」

「プッ…あんたばか?これで俺とキスできると思ってんの?」

「えっ…できないの?」



そう言ってアタフタするそいつを、なんだか可愛いと思ってしまった。



「あんた、名前は?」

「……成瀬優雨。」

「優雨ね。りょーかい。」

「……?」

「俺、強気な女は嫌いじゃねーし。今日は初めてってことで、特別サービス。」



そう言いながらジャムパンを受け取る。



「え?それって…」



そう言いかけた優雨のくちびるをふさいだ。



「………」

「…………っ」



話せないのか、俺の肩をトントンたたく優雨を無視してキスを続ける。


……………。