俺は本気で人を好きになった事がなかった。


……キミに会うまでは。



~放課後の屋上~


「…ん……ふ…っ」

「………」

「……広大?次、どうする?あたしん家、来る?」

「ん~…」


あ~早く帰りてぇ…


「あっでも~広大の部屋も見てみたいなぁ、なんてぇ」



そう言って、その女は俺の隣でわざとらしい笑顔をつくり出している。



「…なんかカン違いしてねぇ?俺、キスまでしかしねぇから。」

「え?」

「だいたい、1万程度で俺とあーんな事しようなんて、百万年早いよ?」



そう耳元でささやいて、フッと笑ってみせる。