……ごめんなさい。
 自分に向けて撃とうとした。しかしその時だった。
 神崎さんは、自分の身がどうなろうが構わず
俺のところに飛び出してきた。

 俺は、神崎さんに抱き締められる。
バンッと撃つ感覚を残して……。

神崎さんは、俺の命を助けてくれた。
 しかし、いきなり飛び出してきたので
左肩が拳銃の弾に当たり血を流していた。
 俺は、驚きとショックで拳銃を地面に落とした。

 すると神崎さんは、左肩が血を流した状態で
落とした拳銃を慌てて拾う。
 そしてその状態で赤羽に向かって何発か撃ち返した。
赤羽は、思わない反撃に遭い抵抗が出来なかったようだった。

「うぐっ……驚いたなぁ……神崎君」

「道連れだ……ぐっ……」

 赤羽も神崎さんも踞り倒れた。神崎さん!?
俺は、慌てて神崎さんのところに駆け寄った。
 今度は、思ったより身体が動かせる。どうやら
ショックでトランス状態から抜け出せたようだ!
 いや……それよりも

早く……救急車を呼ばないと。
 慌ててPCウォッチに呼びかけようとしたら
スーツの男達は、神崎さんと俺に拳銃を向けてきた。
 絶体絶命のピンチになる。もうダメだ……そう思った。
するとパトカーのサイレンが聴こえてきた。

 何台のパトカーに囲まれた。
するとスピーカーから瀬戸さんの声が聴こえてきた。

「赤薔薇会。そこまでだ!
無駄な抵抗は、やめて武器を捨てるんだ」

 どうやら神崎さんの指示で動いてくれたようだ。
良かった……本当に。
 これで……神崎さんを助けられる。

俺のせいで……死なせるところだった。
 それでも神崎さんを撃ったのは、俺だけど……。
涙で視界がぼやけてきた。それに何だか頭がフラフラする。

 薬のせいか、助かってホッとしたのか分からない。
俺は、そのまま意識を失ってしまった……。
 何処からか声が聞こえてきたが今の自分には、
どうなったのか分からなかったが……。