その4つ組が手を取ったのが四神会だ。
 それぞれの組の権力は、大きく警察にもそれなりに
融通が利くらしい。
 お互いの地方の治安を守り管理することで無駄な争いが起きず
政治や警察とも上手くやってきていた。

そして、そのどちらとも属さないのが赤薔薇会だ!
 闇組織として君臨するアイツらは、その合間を掻い潜り
いろんな犯罪に手を染めていた。
 だから犯罪が起きる時に赤薔薇会が関係していると
言われるのだろう。

 これには、警察も大きく動くだろうし
赤薔薇会が絡むとなると神崎さんも動くだろうな。
 何だか良くないことが起きそうな気がして胸騒ぎがした。

 俺もどうにか力になれないだろうか。
そうしたら神崎さんとまたバディとしてやれるのに。
 モヤモヤした気持ちで居るとPCウォッチの
テレビ電話の着信音が突然鳴り出した。

 瀬戸さん?それか神崎さんか!?
俺は、期待を込めて電話に出ると伊波君だった。

『ごめん。今大丈夫?』

「う、うん大丈夫だよ。
丁度テレビを観ていたところなんだ」

『あ、それなら丁度良かった。ニュース観た?
四神会の白虎組の組長が射殺されたって』

伊波君も同じのを観ていたんだ!?
 それもそうだよな。速報でもやるようなニュースだし
世間が大騒ぎになるだろうし……。

『僕もそれを観て驚いちゃってさ。
 立花君ところは、大丈夫?神崎さんとか
その調査とかしそうだから心配になって電話してみたんだけど』

「あっ……それなんだけど……」

俺は、伊波君にクビになったことを話した。
 自分が巻き込まれないようにワザと避けられて
今、何処に居るか分からないことも。
 すると伊波君は、申し訳なさそうにしていた。

『そっか。神崎さんらしいな。昔から優しかったからさ
 でもさ……このままにしていたらダメだと思うんだ!
 神崎さんは、兄のことを大切に想ってくれてるけど
そのせいで前に進めなくなっている。
 このまま放っておいたら神崎さんは、これから先も
ずっと苦しみ……兄のようにならないか心配だ』

 その言葉に思わず自殺をしないか不安になってきた。
そんなの嫌だよ……神崎さんが死ぬなんて。
 考えるほど悪い方向に想像してしまった。