「あの神崎さんは、何処に居るんですか!?
 急に居なくなっちゃうし、クビも理由が分からなくて
本人から事情を聞きたいんです」

 こんな中途半端に終わるなんて納得がいかない。
ハッキリさせないと気が済まない……。

「ちょっと……立花君落ち着いて。俺もよく知らないんだ!
 会ったのも向こうから警察署に来たからで
あの人の情報は、俺もよく知らないんだよね。ごめん」

「そんな……」

「でも君をクビにしたのは、君を守るためじゃないかな?
 あんな事件に巻き込まれたんだ。そうではなくても
本来君は、一般人だ。
 こういう事件には関わらない方がいい」

瀬戸さんまで……!?
 同じことを言われて胸が締め付けられそうになる。
 どうして……今さらなんだ?ずっと一緒に
調査とかしてきたのに。
 俺は、ギュッと拳を握り締めた。それを見た
瀬戸さんは、苦笑いすると俺の頭を撫でてきた。

「立花君。先輩は、君を大切に想っているんだ。
 だから時限爆弾のことや他の事件に巻き込まれて
また失うのを恐れている。
 伊波先輩もそれで命を落としたからね」

「あの……伊波さんは、自殺なんですよね?
 ある事件がきっかけで、精神的に病んで自殺したって」

 俺がそう言うと瀬戸さんは、驚いた表情をした。
そして複雑そうな表情に……。

「何処からその情報を……?」

「あ、あの……俺……伊波さんの弟さんと知り合って
それで彼から聞きました」

瀬戸さんなら言ってもいいよね?
 神崎さんには、言うなと言われたが他の人にもとは
言われていないし口から吐き出したかった。
 その言葉を聞いた時に瀬戸さんは、さらに驚いていた。

「伊波先輩の弟さんだって!?
伊波涼太……って言ってたのかい?」

「はい。その伊波涼太君です」