「キャアッ!!」

「やめるのよ…エレナちゃん!?」

 攻撃的になるエレナちゃんに慌てて
リカコさんが止めようとした。
 すると二階堂ユミカは、顔色が真っ青になる。

「な、何なのよ!?エレナ。ア…アロマよ!
 アロマ……黙って大人しくしなさいよ!!」

 犯人のはずの田辺さんは、何も言わず
二階堂ユミカが 何度もキーワードを連呼していた。
 えっ……?何で?
するとエレナちゃんの動きが止まった。
 エレナちゃん自身も驚いた表情をしていた。

 それもそうだろう。俺も彼女も田辺さんが
犯人だと思っていたからだ。

「ユミカちゃん……何で?」

「えっ?エレナ……あんた」

……その時だった。

「そこまでだ!犯人は、田辺さんじゃないよ」

 えっ?と驚いて見ると神崎さんが入ってきた。
えっ……えぇっ!?
 犯人が田辺さんじゃないってどういうことだよ!?
俺は、唖然とすると神崎さんは、クスッと微笑んでいた。

「ど、どういうことですか?
何故俺が犯人なんだ……!?」

「田辺さんは、共犯にされただけですよ。
 伊藤さんを殺した犯人じゃない。おかしいと思ったんですよ!
 赤薔薇会が絡んでいるはずなのに
やけに簡単に犯人を割り出せたな……って。
 だから、もう一度アリバイを整理してみた。すると
他に電話をかけた人物が、この中に居るなって気づきました。
 あなたですよね?……二階堂ユミカさん」

 神崎さんの言葉にまた驚かされた。
確かにアリバイで電話をしたと言っていた。
 しかし、だからと言って何故彼女が?

「ちょっと変なことを言わないでよ!
 それだと私が犯人みたいじゃない。伊藤さんのは、
自殺だったんでしょ!?何で私が殺さないといけないの」

えっ……?