「ふん。よく来れたものね?
 自分の男が自殺したと言うのに…案外図太いのかしら?」

「ユミカちゃん……」

「本当スタジオで死んだとか冗談じゃないわよ。
 あんたもよく平気で居られるわね。
私なら悲しくてモデルなんてやってられないわ。
 それとも遊びだったから別にどうなっても
良かったのかしら?」

まるで挑発するようにワザとそう伝えてきた。
 エレナちゃんは、それを聞いてまた顔色が悪くなっていた。
 酷い……落ち込んでいる人に対してそんな言い方して
俺は、不愉快な気持ちになっているとリカコさんが
呆れたようにため息を吐いて

「ユミカちゃん。あまりエレナちゃんを
刺激しないでちょうだい。仕事に支障が出るわ」

 二階堂ユミカに注意をしてくれた。
彼女は、ふんっと言いながら行ってしまったが。
 何だかスタジオまでもが、ギスギスしているし
エレナちゃん……大丈夫かな?と心配になっていた。

 結局。エレナちゃんの様子を考えて田辺さんが
20分ぐらいの休憩をくれた。
 エレナちゃんの今の気持ちを考えると本当に
大丈夫かな?と思ったが彼女は、やると言ってくれた。
 そしてある作戦を開始した。20分後。

「大変です!エレナちゃんの様子が変なんです。
 話をしていたら急に様子がおかしくなっちゃって……」

 俺は、慌てたようにスタジオの人達に入り
スタッフやモデルの人達に伝えに行った。

「何だって!?」

慌てて田辺さん達は、控え室に駆け寄った。
 着くと思いっきり控え室のドアを開けるとエレナちゃんは、
控え室の物を壊して滅茶苦茶にしていた。

「どういう事だ…これは!?」

「エレナ!?」

モデルの子達も動揺をしていた。田辺さんも…。
 よし。これで田辺さんが犯人であるキーワードを
口に出してくれたら証拠になる。俺は、そう思った。
 するとエレナちゃんは、近くにあった椅子を
振り回し始めた。