浅草の喫茶店と探偵ミステリー~血に染まった赤いバラ~


「今日からバイトとして入ることになりました。
立花です……よろしくお願いします」

 結局俺は、潜入調査として「アイリス」に
ボーイのバイトとして働くことになった。
 何でこんなことに……。

そのお陰で喫茶店以外の時にバイトしていた
 ラーメン屋は、辞めることになるし……トホホ。
まぁ特別手当ては、確かに時給はいい。
 だが無茶ぶりが酷い。危険と隣り合わせなのも恐ろしい。
 俺……バイト先を間違えたかもしれない。

「では、立花君。指導のもと今日から働いて」

「は、はい。頑張ります」

 と、とにかく今は、働かないと。
時給もだが、ここのバイト代もしっかり貰いたいし
 何より目的は、聞き込みと監視だ。
俺は、先輩の今井さんの指示のもとで働いた。


 ボーイは、お酒などを運んだり
キャバ嬢の方達のサポートをするのが役目だ。
 店の全体を把握するには丁度いいが……。
1日目は、目的の篠田正信って男は来なかった。

 明日は、来るだろうか?
あ、そうだ。神崎さんにキャバ壌の人物を把握しろと
言われていたんだった。
 俺は、慌てて仕事をしながらもキャバ壌の人数と
名前を探った。その中でも怪しい人物……。

 この中に赤薔薇会の仲間が居るかもと思うと
誰もが怪しく見えてくるから不思議だ。ただ
 どの人も華やかで綺麗な女性ばかりだった。
自分も瀬戸さんと同じで、こういう場所は初めてだし
 モテる訳でもないので緊張してしまう。
すると1人のキャバ壌が、誤って俺にぶつかってきた。
 バシャッとトレイに乗せていたビールの残りが
かかってしまった。

「ちょっと痛いじゃない。気を付けなさいよ!」

「あ、すみませんでした」

 俺は、慌てて頭を下げるとフンッとそっぽを向いて
歩いて行ってしまった。ぶつかってきたのは、
向こうなのに謝らないし凄い気が強い人だな。
 えっと……確かこの店の2番人気のマヤさんだったかな?

 派手なドレスに明るい茶髪をくるくると巻いていて
綺麗なのだが裏表がある感じだ。正直苦手なタイプだ。
 あぁ……コップは、落とさなかったからいいけど
濡れちゃったなぁ……。
 来ていたワイシャツが濡れてしまった。
するとハンカチをスッと差し出してくれる人物が。

「大丈夫?はい、これを使って」