俺と神崎さんは、リカコさんと一緒に
辻エレナの控え室に向かった。
 ちなみに神崎さんは、モデルのふりをするらしい。
あのルックスなら納得してもらえるだろう。

 控え室に着くとリカコさんは、いつものように
ノックをすると部屋に入っていく。
 俺らも中に入れてもらうと……うわぁー本物だ!!
本物の辻エレナは、めちゃくちゃ可愛かった。

 顔小さい。それに目がぱっちりして
華奢な身体で手足も長い。
 さすが人気モデル……大学に居る女子と比べても
飛び抜けて可愛いと思う。

「ハーイ。エレナちゃん!
 今日は、あなたが頼んだ探偵を連れてきたわよ」

 簡単に正体を明かすリカコさんだが
事前に伊藤さんにも許可をもらっているので問題ない。
 するとそれを聞いた辻エレナは、目をキラキラと
輝かせながら近づき俺の手を握ってきた。

「あなたが探偵さん!?探偵さんって可愛いのね」

えっ……えぇっ!?
 まさか辻エレナに手を握られるなんて思わなかったから
心臓が飛び出すぐらいドキドキした。
 全身が熱くなりそうだ。

「失礼。探偵は俺ですよ。彼は、助手。
 はじめまして。神崎です」

「まぁ、あなたが!?わぁーこっちは、凄いイケメン」

 さらにテンションを上げて
神崎さんの手を握る彼女に俺は驚いた。
 あ、そういえばちょっと天然が入っている子だっけ。
 その明るくて人懐っこい笑顔がテレビでも人気が高かったよな。

 芸能人は、裏表があると言われているが
どうやら彼女は、これが素らしい。
 そうしたらマネージャーの伊藤さんが慌てて
引き剥がして謝ってきた。
 伊藤さんは、30代前半ぐらいで真面目な感じだった。

「すみません。こら、エレナ。無駄にくっつくな。
 探偵さん達が困っているだろ?」

「えーだって……」