あれ……?この場面……何処かで見たぞ?
すると激しい動機と一緒に頭痛がしてきた。
頭が割れそうに痛い。思わずしゃがみこんだ。
それを見ながら伊波君は、クスクスと笑っていた。
「驚くことはないよ。僕の正体を知るのは、二度目だし
それに……教えてあげるよ。神崎君は、君のバディ。
そして僕が赤薔薇会の責任者だ。伊波って人物は嘘。
そして何より君は、僕の異母兄弟なのさ」
「……異母……兄弟?」
その言葉に心臓が跳び跳ねそうだった。
何だこれ……聞きたくない。
「そう……君と僕は、異母兄弟なのさ。
君の血には、赤薔薇会の……赤羽家の血が入っている。
殺人者としての血がね」
フフッと可笑しそうに……不気味に笑う伊波君。
その言葉を聞いた瞬間、さらに激しい頭痛がした。
頭が……割れる。
すると蘇ってくる。奥底に眠っていた記憶までもが。
そうだ……俺神崎さんのところで働いていたんだ。
神崎さんとの記憶が鮮明と思い出した。
しかし、それは思い出したくない記憶でもあった。
俺のせいで神崎さんに怪我を負わせた。
罪悪感ともし俺の中に眠っている赤羽の血が……。
殺人者として目覚めるんじゃないかと思うと恐ろしくて
無意識に記憶から排除したんだった。
そうか……俺……また神崎さんを傷つけようと……したんだ。
俺は、そのまま倒れ込んだ。
意識が朦朧としてくる……。
すると赤羽は、俺のところに来てこう告げた。
「僕は、行くとするよ。またね……僕の可愛い弟君。
でもこれだけは、覚えておいて。
君が居る限り赤羽の血は、絶えない。
それに僕が存在する限り……君は、いつか
赤薔薇会の一員になるかもしれないってこと。
だって……そうだろ?
君の中には、殺人の才能があるのかもしれないのだから」
俺の中に……?
そのまま意識を失ってしまった。
真っ暗の中で誰かに名前を呼ばれた気がした。
誰だろう……?懐かしい感じだ。
そして次に目を覚ましたら知らない天井が見えた。
ここは、何処なんだろう?
不思議に思いながらも身体を起こしてみる。
うっ……頭が痛い。ここは……病院?
するとドアが開いた。
入ってきたのは、神崎さんだった。
「立花。起きたのか?大丈夫か!?」



