浅草の喫茶店と探偵ミステリー~血に染まった赤いバラ~


 強気に出る神崎って人。しかしお面の男は、
気にすることなく大笑いしてきた。

「フフッ……確かに。これだと僕の負けだね。
 でもさ。僕がそれに気づかないと思った?
それに僕は、捕まる気も殺される気も無いけどね」

 そう言うとパッと岸谷ほのかを人質に取った。
岸谷ほのかに拳銃を突き付けてきた。岸谷さん!?

「キャアッ……やめて!!話が違う……」

「赤根。卑怯だぞ!?」

「利用が出来るモノは、何でも利用する……同然だろ?
 彼女は、俺を逃がすための人質になってもらう」

人質に取られたら下手に反撃が出来ない。
 そうしたら「お迎えに上がりました」と1人のスーツの
中年男性が現れた。

「フフッ…丁度いい。大人しくしていてもらおうか?
 あぁ、せっかくだから楽しむといいよ?瑞穂。
”アロマ“だ。アイツらを反撃をしろ」

 えっ!?すると手を撃たれ銃を持てないはずの堀内瑞穂は、
今度は、左手で近くの金属バットを持ち出した。
 ま、まさか!?

「じゃあ、またね。 バイバイ…2人共」

 仮面の男は、ニヤリと笑うと岸谷ほのかを
人質に取ったまま歩き出し体育倉庫から出て行った。
 堀内瑞穂は、俺達に向かって金属バットを振り回してくる。

 神崎って人は、慌てて避ける。
俺は、どうしたらいいか分からずオロオロしていた。
 早くあの仮面の男を捕まえなくちゃあ……岸谷さんが。
 でも……この人が。

どうやら犯人ではなかったようだ。
 何処かで良かったと思いつつも何故か放っておけない自分が居る。
 何で……怖い人のはずなのに。俺どうしたら……。

「何をやっているんだ!?逃げろ……」

「えっ……でも……」