正気……じゃない!?
彼女は、完全に目が据わっていた。
ヤバい……このままだと本当に自殺をしてしまう!!
岸谷ほのかの命令で殺されてしまう。
「さぁ……命令をするだ。ほのか。
そうしたら君の望みは全て叶う。心配はいらないよ?
この女と彼の処分は、僕が全部引き受けよう。
心置きなく……殺せ!」
ダメだ……そんなことをしたら!!
そんな人殺しだなんて……。
俺は、絶体絶命だと思った。頭痛がしてくる。
何より何だろうか……目が離せない。
「さぁ……立花君。君もよく見るんだ。
これが人間の闇の部分。そして汚い部分だ!」
人間の……闇の……部分?
しかしその時だった。
ドンッと音と共に堀内瑞穂の手に当たり
持っている拳銃が落ちた。えっ!?
振り返ると神崎という人が拳銃を構えていた。
何で……この人が!?
「赤羽。今すぐその3人から手を引け!
お前の企みは、全て俺が証拠を集めておいた」
「ほう…聞かせてもらおうか?その証拠とやらを」
仮面の男は、ニヤリと余裕の表情を見せていた。
証拠……あの人が?
俺は、驚きながら神崎って人を見るがニヤリと笑っていた。
「そうだな。まず…お前は、2人の人間を利用した。
1人は、そこに居る岸谷ほのか。
お前は、イジメにあっているコイツを利用して
学校の掲示板などに〝華の雫〟の噂を流させる。
調べた所……発信元のIDは、一定していた。
その後にもう1人の犯行者…堀内瑞穂。
コイツには〝華の雫〟を使い麻薬にかかった状態の時に
コイツのスマホで掲示板に同じIDを使わせ
二重に噂を流させる。
もし…調べられた時に混乱させるためと
コイツを犯人に仕立てるために」
「同じ名前に2人の人物。そしてある程度。
利用したら岸谷ほのかに約束として
全ての犯行を堀内瑞穂に背負わせ自殺として処分させるはずだった。
〝華の雫〟を利用してな」
「ふ~ん。なるほど…だけどそれだと証拠にはならないよ?
ただ〝2人がやったかも〟と言う憶測だけだ」
それを聞いた仮面の男は、フフッと笑いながらそう言ってきた。
確かに。それだとただの憶測だ。証拠にはならない。
しかし神崎って人は、クスッと笑いポケットから
USBメモリーを取り出した。
「あぁ確かに。だから、ちょっと細工をさせてもらった。
リカコに頼み、ウィルスを掲示板に送り込み
感染させておいた。
中身を見ようとすれば知らずに感染させられ
情報が全てこちらに流れるようにな。
お陰でこれに全てコピーさせて貰った。
やり取りや履歴で赤薔薇会との証拠がいくつか出てきたぞ。
さぁ、どうする?これを警察に証拠として渡せば
お前らを捕まえる事が出来る。お前の負けだ…赤根」



