「瀬名先輩、こちらの方のお名前は?」

早速、美里が聞く。

(美里、ありがとう)

そう思いながら美里をみると、美里は小さくピースをした。

「俺と同じクラスの桜田凛。そっちは?」

「あ、花園鈴音です。」

「鈴音、中学校の時の先輩。」

「塩谷瀬名です。よろしく。」

かっこいい人だな、と鈴音は思った。

桜の王子様と並んでいたら二人して目立ちそうだ。

それに、

(綺麗な美里と並ぶと絵になるな…)

鈴音はそっと隣を見る。

気づいた桜の王子様が微笑んだ。

「どうしたの?」

「あ、いえ…、桜田先輩は部活とか入ってるんですか?」

勇気をだして聞いてみた。

「バスケだよ。あと、凛って呼んで?」

そっと凛先輩の手が伸びてくる。

「リボン、似合ってる。かわいいね。」

鈴音のリボンにそっとふれた。

「ポニーテールっていいよね」

今日がポニーテールで正解、赤いリボンをしてきてえらい!と鈴音は自分で自分をほめずにはいられなかった。