小学校1年生なんだから、『好き』なんてわからない。

『恋』なんて、知らなかったんだ。

でも、私は彼を他とは違う見方をしたんだ。何かが、違うんだ。

人見知りの私にも友達が出来た。

親友と呼べる子も出来た。

喧嘩もしたし、泣きあった。

だから親友と呼べる子ができた。

「愛ちゃーん!」

声をかけてきたのは夏帆(仮)ちゃん。

この子が私の親友。

他に、瞳(仮)ちゃん、汐梨(仮)ちゃんという友達が出来た。

この4人組が、私の中で生きる希望にもなった。

夏帆ちゃんは自己中心的な性格。でも、いざとなればとっても優しい子。ただ、心配性で切り替えが悪い意味で早い。だから、好きな人が出来ても3ヶ月で諦めてしまう

瞳ちゃんは、すっっっごく面白い子。でも、陰で悪口を少し言うタイプ。ダンスも上手くてスポーツもできる。体型はぽっちゃりめなのになんでも出来る瞳ちゃんは、私の憧れだった。

汐梨ちゃん(通称:しーちゃん)は、背が小さいけどクール。ダンス教室にも通ってて、
瞳ちゃんと一緒に韓国のグループを推したり、オシャレもこだわる。悪口は私にぶつけるから、私はいつの間にか相談相手になっていた。

         ♥

小学2年生の時、私にとっての事件が起きた。

私の学校は人数が少ないので、クラス替えがない。だから辛いこともあれば、いいこともあった。

優(仮)ちゃんという女の子がいる。

私と同じ誕生日で隣で生まれた。

共通点が多い中、1番の共通点は、優多くんが好きな事。

学習発表会の時、お弁当を食べていた。

後ろで聞こえてきた声に、私は箸を落としそうになった。

「優多って優ちゃん好きなんだろ?」

「やめろよ!/////」

それは、優多くんと男子との会話だった。

「……。」

「愛ちゃん…、気にしなくていいよ」

周りの子がなだめてくれる。

私の好きな人を知っているから。

でも…悲しさを隠すことなんて出来なかった。

私は廊下に走り出て、蛇口をひねりながら、
涙をこらえた。

(優多くんは…優ちゃんが好きなんだ…)

(私じゃ…ないんだ…)

辛かった。その真実が。

小学2年生だからそんな気持ち知らなくても、やっぱり好きなんだ。

その気持ちが抑えきれなくて、でも、彼には好きな人がいる。それも、私の友達。

だから抑えなきゃならない。

深呼吸して教室に戻った。

明るい顔をしながら…。

「愛ちゃん、大丈夫?」

「大丈夫大丈夫!!」

あははと笑いながら誤魔化した。

(もう諦めようかな)

片想いは2年間で終わるのか…

そんな風に思ったけれど、彼を諦めることは出来なかった。