「上履きが青ってことは、1年生か」
「そうでーす!ピチピチの高校1年生でーす!」
ノリがいい蛍は、さっき会ったばかりの先生と楽しそうに会話してる。
「俺も教師1年生だから、1年生同士仲良くしような」
「そうなんですか?」
「この間大学卒業して、この春から教師になったんだよ」
「じゃあ、お互い1年生同士よろしくお願いしまーす」
かっこいい笑顔を振りまく先生に、満更でもなさそうな蛍。
私は……先生なのにこんなにノリの軽い人っているんだと、この先生に少し苦手意識が生まれた。
話に入れそうになかったため、私は一歩後ろを歩いて距離を置いていた。
「……おーい」
「へ……っ?」
蛍と前を歩いていたはずの先生が、気づいたら私の横にいた。
先生は少しかかんで、私の顔を覗き込んできた。
至近距離に整った顔がきたことで、不覚にもドキッとしてしまった。



