私はとっさに目を強くつぶった。



生まれてはじめてのキスがまさかの先生と……⁉︎

そんなことあるの……⁉︎



自分で撒いた種なのに、心の中は大パニックだった。



……しかし、わたしの唇になにかが触れることはなかった。



「冗談だよ。生徒にキスするわけないだろ」

「……っ」



おでこに軽いデコピンをされ目を開けると、目の前には満面の笑みの瀬那先生がいた。



「冗談だとしても、タチ悪すぎ!」

「呉羽が調子乗るからだろ?」

「お返しってことですか……」

「まぁ、そんなところかな」



掴んでいた私の腕を離し、歩き始める瀬那先生。