私が地面を踏む音しか聞こえないほど静かな空間。
……そんなとき、遠くから足音が聞こえる気がした。
え……?
誰か近づいてくる……?
ふと頭に浮かんだのは……蛍と話していた去年のニュースのこと。
山の中……そしてここには私しかない。
当時の襲われた女の子とまったく同じ状況にいる。
そう思ったら急に怖くなって、一気に血の気が引いた。
まだ15年しか生きてないよ……恋だってしたことないんだよ?
一度でいいから誰かを好きになって、彼氏とイチャイチャラブラブしたかった……!
私にはまだやりたいことがたくさんある。
まだ死なない……!
今自分がどこにいるのかもわからないのに、とにかく自分の命を守るために一目散に走った。



