「……あれ？怒った？」

「……」

「おーい、つむぎちゃーん」



私の背中をツンツンしてくる瀬那先生。

私は再び瀬那先生のほうを向き、少しだけ見上げた。



「今日からは、一分一秒ずーーっと私のこと考えててね。私も……瀬那のこと、ずっと考えちゃいそうだから」

「……いや、急になんだよそれ」

「私だってこんなに好きなんだよって知ってもらいたくなったの」

「伝わったよ。伝わったけど……」



「今この状況で誘惑するなよ……」と、瀬那先生は蚊の鳴くような声でぼやいた。

あれ？こういうときこそ自分の気持ちをさらけ出すんじゃないの？

タイミング間違えたのかなぁ……。



「俺はこれからもつむぎに誘惑され続けそうな予感がする」

「誘惑？今の別に誘ってないよ？」

「そう言うと思った」



瀬那先生の優しい笑顔を見ると、心が落ちつく。

好き……私は瀬那先生が大好きだ。


そんなことを思いながら、私は初めて自分から瀬那先生にキスをした……。



〜 完結 〜