私が指摘すると、瀬那先生は「あー……あれか」と思い出したようにつぶやいた。
「若い女の子たちに人気でいいですねー」
「なんだよ、さっきは感謝してくれたのに。急に嫌味攻撃か?」
そりゃ、私たちの名前を1番最初に覚えたなんて分かりやすいウソつかれたら、さすがに攻撃したくなる。
「まぁ、こうやってかわいい生徒と話せる時間は確かに楽しいな」
「かっ、かわいい……⁉︎」
「ん?俺、変なこと言ったか?」
だめだよ、だめだよ……!
これはきっと、モテてきた男の常日頃から行なっているリップサービスなんだ……!
いや、待て待て。
先生からしたら、生徒は全員かわいいものかもしれない。



