今日も、私は瀬那先生を誘惑します。



「瀬那先生のおかげです。ありがとうございます」



その場で足を止め、瀬那先生へ向かって頭を下げた。



「声をかけられなかったって言ったけど、声をかけなくても友達は呉羽に助けられたと思うよ」

「え……?」



顔を上げると、そこには私のことを真っ直ぐ見る瀬那先生がいた。



目があったからか……不覚にもドキッとしてしまう。



「そばにいるだけで支えになることだってある。親友ならなおさら、言葉はなくてもそばにいてくれたら安心するものだと思う」

「……私も、蛍の力になれてたってこと?」

「だろうな。そんだけ相手を思いやることができるんだから、その気持ちは伝わってるよきっと」