瀬那先生に風邪をひいてほしくない。

そう思った私は、私の肩を抱く手と反対の手にかけられているもう一つの傘をとろうとした……。



「俺と相合い傘するのいや?」

「……そ、ういうわけじゃない、ですけど……瀬那先生の肩がさっきから濡れてるから……」

「これくらい大丈夫。今はつむぎとこうして歩きたいんだよ」



……なにそれ……。

なんでそんな惑わすようなことを言うの……?


そんな風に言われて断れるはずないじゃない。



私たちはそのままなにもしゃべらず、私は瀬那先生の腰をギュッとつかみながら家までの道を歩いた。



瀬那先生の家に到着し、すぐに瀬那先生はお風呂を沸かしてくれた。

沸くまでの間、風邪をひくからと……この前泊まったときのと同じ瀬那先生のスウェットを貸してくれた。


私は温かいシャワーを浴び、湯船に浸かる。

さっきまで冷たかった体が一気に温かくなった。