「悔しいけど、合ってます」
瀬那先生がたくさん私のことをかわいいと言ってくれるから、愛を伝えてくれるから……私も自然と瀬那先生には私の気持ちを全部知ってもらいたいと思うようになった。
「……俺も、同じくらいつむぎに影響されてる。それは覚えておいて」
最後に、私の手の甲にキスをした瀬那先生。
これ以上2人でいたら怪しまれそうなので、私たちはそれぞれの教室へと戻った。
……私は、教室に戻ってから気づいた。
また小栗先生のことを聞けなかった……。
瀬那先生に聞いて、「付き合ってたよ」と言われたところで、私はどうすることもできないんだけどね。
それでも、瀬那先生の情報は、ちゃんと瀬那先生本人から聞きたい。
それがたとえ、どんなに不安になるようなことだったとしても。
……次のときには必ず聞こうと、私は心に決めた。
それから1週間が経ち……捻挫も無事に完治した。
そして、クリスマスに向けてのテスト期間に入り……私は、苦手な数学を入念に取り組んだのだった。