瀬那先生、サッカー部だったんだ……。

さぞかしモテモテだっただろうなぁ。



「……あっ!私、用事思い出した!」



蛍が突然そんなことを言い出す。



「え?用事ってなに?」

「用事は用事!じゃ、私、先に戻ってるね!あとはごゆっくり〜」



さっきまで用事があるなんて言ってなかったのに。

ニヤニヤしている蛍は、早足で保健室から出ていった。


なにがなんだかわからない……。



「松本に気利かせちゃったな」

「……え?」

「俺らを2人きりにしてくれたんだよ」



私は、そういうことか!と納得した。

それと同時に"2人きり"というワードで、顔が上げられなくなってしまった。



「なんで、つむぎはモジモジしてるの?」

「え⁉︎」

「さては、変な妄想してるな」

「し、してませんっ!」