「とりあえず、ホッとした……」
「私のケガですか?」
「すごい心配してたんだよ。心配しすぎて、つむぎが救急車に乗ったあとからの記憶まったくない」
「そんなに……⁉︎」
「そんなにって、彼女なんだから心配するのは当たり前だろ」
勢いよくハートの矢が私の心へと刺さってきた。
あぁ……本当に大好き。
「なにか欲しいものとか、してほしいこととかあったら言えよ」
「……それは、なんでもいいんですか?」
「叶えられるものならな」
瀬那先生がなんでもしてくれる……⁉︎
こんな機会、この先いつあるかなんてわからない。
「じゃあ……」
私は、ここぞとばかりに甘えてみることにした。
「抱きしめてほしいです」



