お泊まりから帰ってきたその日に瀬那先生から電話があった。

麗華さんが家の前に来ていたらしい。



本当はやりとりの一語一句すべてを聞きたかったけど……聞いてしまったら、それはそれで嫉妬してしまいそうなのでやめておいた。



瀬那先生を……信じてる。



なによりも、麗華さんからの告白を瀬那先生がはっきりと断ったことを聞いてホッとした。

麗華さんも、また一歩前へと進めたらいいなと思う……。



大きなイベント、体育祭も終わり……だんだんと寒くなってきた。



そんなある日の数学の授業中……。

家庭科室から火災発生との校内放送が流れた。



ただちに避難をするようにと放送があり、私たちは廊下に出席番号順で並ぶ。

瀬那先生は、生徒全員の安否確認のため……最後に教室を出ることになった。



避難訓練は何度もしたことがあるけど、実際に避難するのは初めてのこと。



ザワザワしながらも順番に階段を降りていく。