「あんなところやこんなところ触られちゃうよ」
「……ひゃっ」
瀬那先生は、さらっと私の腰をなでた。
くすぐったくて、思わず変な声が出てしまった。
「俺が熱でよかったね。つむぎちゃん」
「……うう」
瀬那先生の流れにまんまと乗せられて、ここに麗華さんがいることをすっかり忘れていた。
ふと麗華さんを見ると、ものすごい機嫌が悪そうだ。
「あ、麗華いるの忘れてた。ごめん。もうつむぎいるから帰っていいよ」
瀬那先生は絶対に麗華さんがいることをわかってて、私をからかったに違いない。
内心、おもしろがってるのがわかる。
そんな瀬那先生に対して、あからさまに悔しそうな顔をする麗華さん。
「身体、拭くでしょ?タオル温めてくるね」
それでも諦めない麗華さんは……そう言って寝室を出ていった。



